[書評] スティーブ・ジョブズ 神の交渉力

Steve's Negotiation 01

Steve Jobs にまつわる数々のエピソードを取りあげ、「交渉スタイル」に焦点を絞って解説した本です。Steve本、あるいは Apple本を複数読んだ事がある人であれば、ほとんどがすでにどこかで目にした事のあるエピソードばかりです。Steve苦難の時代がメインとなるので、Pixar や NeXT に関するエピソードも多く含まれています。帯やタイトルから感じるようなノウハウ本では決してありません。テクニックだけを盗んでマネすると大失敗しか残らないようなエピソードばかりです。

さらりと読み終わりましたが、この本から読み取れる Steve の交渉に対するスタンスは以下のようになります。

  • 人を信じるな
  • 目的達成のためなら人を裏切れ
  • 自分の都合が最優先

これだけ見るととんでも無いヤツですが、その認識は間違いでは無いでしょう。言い換えて一言にまとめるのならば、こうなります。

  • 絶対に自分の直感は裏切るな

いつどんな時でも自分の直感が最重要であり、周りの雑音に惑わされずそれのみを信じて突き進む。目の前にある物が自分の信じた物と違うのならば、それは間違った物である。その考えを貫き、組織として目標を実現するには、まさに独裁以外の方法はありえません。それこそが Steve の経営方針、生き方の神髄ではないでしょうか。

また、自分の弱点を改善するぐらいなら、ひたすら得意分野に磨きをかけるという考え方も、直感に従うのならば当然の人生戦略です。たとえそれが諸刃の刃になろうとも、自分の内なる声だけは裏切らなければ、物事は最終的には良い方へ転がる。Steve の生き方とその半生を見て、僕はそう感じています。

Steve's Negotiation 02

印象に残ったのは Steve のこの言葉。P.218より。

「人生で大きな決断を下す際にもっとも助けになったことは、もうすぐ死ぬということを頭に入れておいたことだ。周囲の期待やプライド、または失敗や恥への恐怖は、死を前にすると消え去り、本当に大事なことだけが残る。自分の気持ちに従わない理由はない」

なぜそれほどまでに直感に従うのか、そして「常識」に従わないのか。すべてがつながりました。中途半端では意味がない。やるのならば常識を覆すほど、徹底的にやる。

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