[書評] フィンランド・メソッド入門 – グローバル・コミュニケーション力の磨き方(エヴァヲタ編)

Introduction to Finland method

例え英語を完ぺきにマスターしたとしても、グローバル・コミュニケーション力が上がったとは言えない。では、どうすればグローバル・コミュニケーション力を磨く事が出来るのか。それに応えるのがこの本です。

手にして想像以上に薄い本だったのでびっくりしたが、内容は濃かったです。さっそくフィンランド・メソッドを使いながら特に影響を受けた点をまとめてみます。

グローバル・コミュニケーション力の必要性

グローバル・コミュニケーション力とは、「常識的に考えて」とか「空気を読んで」が通用しない状態でコミュニケーションを取るために必要な力です。フィンランド・メソッドのよると、その能力を磨くために必要な要素は次の5つ。

  1. 発想力
  2. 論理力
  3. 表現力
  4. 批判的思考力
  5. コミュニケーション力

以下、各要素の磨き方につて。

発想力

マインドマップを使う。

マインドマップ – Wikipedia

論理力

意見には必ず理由を付ける。正しい意見でも間違った意見でも、「なぜ?」と問い続けて理由を引き出します。どんなことにでも3段階まで理由を引き出すようにする方法が紹介されています。

  • なぜなら
  • それに
  • また
意見に理由を付ける例
エヴァンゲリオンが好きです。
なぜなら、細部にわたる手の込んだ設定や心理描写が、他に類を見ないほどの深さを感じされるからです。
それに、哲学的、宗教的キーワードをちりばめたストーリーには、多くの解釈の余地を持たせ、放送開始から10年以上たったいまでも議論が尽きないのも、楽しみの一つです。
また、主人公達と同じ年代でこの作品に出会ったことにより、その後の人生観に強い影響を受ける事にもなりました。

表現力

作文を書く。フィンランドの小学校では、発表と作文によって表現力を鍛えるとのことです。ただ、最初のうちは発表のために原稿を用意するので、作文が表現の基本となるのです。口頭での説明と違って、作文は読み手の反応に対してやり直しがききません。だからこそ、事前に考えて書く必要があります。これは Blog 書く時にも意識すべき点と同じです。つまり、Blog 書けばいいと思います。

批判的思考力

フィンランド・メソッドにおいて、作文は書いて完成ではありません。書いたの後、クラスメイトからの批判とそれに対応する書き直し作業を経て、始めて完成品となるのです。良いところ、悪いところを指摘してもらい、そこからさらに表現の精度を高めるプロセスが必要なのです。

また、自分の意見に対しても批判的に見つめ直すことが重要です。思いこみで意見を言っている可能性があるので、「本当にそうなのか?」と、自問自答することは欠かせません。

コミュニケーション力

他者と自分の意見を出し合い、より良いゴールへ到達すること。これこそグローバル・コミュニケーション力を磨く理由です。そのために必要なのが議論。この本には、小学生のクラスで作ったという議論のルールが登場します。

  1. 他人の発言をさえぎらない。
  2. 話すときは、だらだらとしゃべらない。
  3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない。
  4. 分からないことがあったら、すぐに質問する。
  5. 話を聞くときは、話している人の目を見る。
  6. 話を聞くときは、他のことをしない。
  7. 最後まで、きちんと話を聞く。
  8. 議論が台無しになるようなことを言わない。
  9. どのような意見であっても間違いと決めつけない。
  10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない。

いくつか補足引用です。

「他人の発言をさえぎらない」について。

発言内容はもちろん、発言そのものも最大限に尊重する

「議論が台無しになるようなことを言わない」について。

事前に了承済みの前提に立ち返って、議論を蒸し返す事などを指します。

前提に立ち返ると、他の人が気づかなかった論点を示したように見えるので、優越感に浸れるのです。

議論を台無しにする例
「それでは、ヱヴァンゲリヲン新劇場版はおもしろいか否かについて議論しましょう。」
「ちょw そもそもエヴァなんておもしろいか?オレは綾波より長門がいいね。」

違う意見への対処法

違う意見に出会った時、どうやって自分の意見を伝えるべきか。大きく分けて3つの方法があります。

同調 – 自分の意見は捨てる
相手: エヴァオタってキモいよね
自分: うん、そうだね
はぐらかし – 白黒付けずに終わる
相手: エヴァオタってキモいよね
自分: うーん、そうかな
否定 – 反撃する
相手: エヴァオタってキモいよね
自分: エヴァオタキモいって言うヤツがキモい!

では、フィンランド・メソッドを使った場合、どう対応するのば良いのでしょうか。

反論
相手: エヴァオタってキモいよね
自分: どうして?
相手: リビドーとかデストルドーとかリリスとかリリンとかわけわかんないことを議論してるからだよ
自分: でも、そこまで深く研究して物語を読み解いていくなんて、かえって尊敬に値すると思うけどなぁ

このあとオタ乙と言われたら、議論のルールに違反だと指摘します。

つまり、「本当にそうなのか?」をきっかけに反論するのです。相手の立場になって考え、相手の意見の論理をひもとき、それに対する反論意見を考える。それがフィンランド・メソッドでの議論に欠かせないアプローチです。

実際の教育や子育てで活用したい方や、もっとまともな例で詳しく知りたい方は本をどうぞ。

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