ブロックチェーン技術者は何のためにその技術を手にしたのか

仮想通貨のトレードは、ブロックチェーンが造り出す世界の1つの重要な要素だと思っています。それがなければ、既存の世界とのつながりが得られないからです。

どれほど崇高な概念を持っていても、どれほど革新的な技術があったとしても、既存の世界とのつながりがなければ、広がることはありません。たとえそれが旧世代の産物だと思えるような世界だったとしても、そこに変えなければならないと信じる価値観が存在する限りは、つながりは重要です。

しかし、そこにだけ注目が集まり、盛り上がっている現状は、本質を見失っています。長期的な視点でブロックチェーンの意味を考えた時に、より注力していくべきはブロックチェーン技術のさらなる研究開発です。まずは、ブロックチェーン技術そのものが信頼を勝ち得、実用に耐えうる物にならなければその先はありません。そして、その上で成り立つトークンエコノミーや新たな価値の交換、言い換えるならば異なった価値観同士の対話を育む DEX(分散型取引所)が成立することも、必須の要件です。

ここから先は、決して、中央集権的な取引所で完結するような世界ではありません。

ただ単純にトークンを売り買いして儲かるだけの世界など、この先には存在しません。いまこそ、長い目で技術の研究開発に取り組んでいかないと、夢見た未来は来ないのです。

広がり続けるトークンエコノミーや、DEX による新しい経済圏の誕生を考えると、ブロックチェーンのスケーリング、基礎技術や応用事例の研究は、避けては通れません。もう、“Fin-Tech” という言葉でごまかす必要は無いのです。これは純粋な、テクノロジーの挑戦です。

「お金」が儲かるのは仮想通貨売買の部分なので、投資家もそこに注目していますし、大企業もそこを考えています。しかし僕は、そんな目先の世界を見るためにこの技術を信じたわけではありません。この状況の中では、基礎研究をする技術者の横のつながりが欠かせません。企業の枠を超えて、同じ価値観を共有する者同士が DAO を形成し、情報を交換し、価値を交換し、未来を創造するために技術を前進させる必要があります。

先日、DRI がこのようなプロジェクトを発表しました。

それは、企業の間にある巨大な壁を超えて、ブロックチェーン、仮想通貨、トークンエコノミーの本当の未来を考える技術者の集まりです。

ブロックチェーンエンジニアは、鳥かごの中に生きるためにこのテクノロジーを信じ、前進させてきたわけでは無いはずです。自らを囲う壁を造るためにコードを書いているわけでは無いはずです。

ハッカーは、ブロックチェーン技術がもたらす分散型の世界に夢を見て、この技術に人生をかけているのです。サトシが目指した世界は、中央集権ではありません。そこには、既得権益者による搾取も、監視も、抑制も存在してはいません。

知識と能力を持ったエンジニアには、責任があります。この世界をどう造りたいのか、それを選択する責任があります。

僕は、この DRI の取り組みを支持しています。この取組が成立し、拡大していくように、組織的に支援を始めています。なぜなら僕は、全く満足していないからです。いまのこのブロックチェーン業界に。仮想通貨業界に。全く。

所属など関係ない。誰かのために利用される必要なんて、無いはずだ。信じるものによって生み出されたつながりこそが、最も強く、最も美しい。僕たちはいま、同じ未来を信じている。

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