進撃の巨人に学ぶ人を虜にするプレゼンテーションの流れ

注意事項

「進撃の巨人」の本質的なネタバレはありませんが、物語設定、流れについて説明している部分があります。まだ読んでいない方は、この文章を読んでから全巻買って読んでみてください。

これは最高のプレゼンテーションの教科書ではないか

進撃の巨人は面白い。どんどん引き込まれていって、読むのを止められませんでした。

他と比較して特別に絵が上手いとか、思い入れがある人が書いたとか、そんなことがあるわけではないのに、とにかく面白くて、コンテンツが秀逸で、どこまでも引き込まれていく。あまりにも面白いので、なぜこんなに面白いのか、なぜこんなに引き込まれていって説得力があるのかを自分なりに考えて図にしてみました。

そして気づいたことがあります。

人を説得する、人を味方につけるということが自分の1番重要な役割です。そのため仕事上、人前で話したり、重要なプレゼンテーションすることが多いです。そんな自分が10年間かけて培ってきた話の構成や流れと同じものが、進撃の巨人の中に描かれていたのです。つまり、進撃の巨人のストーリーの展開、重要な要素の配置。これらが、自分がいつもプレゼンテーションを考える時や実際に話す時に意識している流れと、一致しているのです。だからこそ、自分には特に強く響いたのでしょう。その図が、こちらです。

それでは各要素を見ていきましょう。

ストーリーの前提

まず、進撃の巨人を知らない方のために簡単に説明します。進撃の巨人は、世界に人を食べてしまう巨人がたくさんいる、という設定で物語が進んでいきます。その巨人から人類を守るために、大きな壁があります。その社会では、壁の内側で人類が巨人に食べられないように隔離されて生きています。しかし、その壁の内側に本当に留まっていていいのかと、疑問を持つ人がいます。壁の内側で100年間生活し、その壁が破られたことがないという事実があるにせよ、いつまでも安全とは限りません。いつあの壁を超えて巨人が入ってくるかも分からない。そんな中、一生この壁の内側で過ごしていていいのかと主人公が問題を感じ、行動を起こすという話です。

これはまさに、今の社会構造や問題提起に似通った設定です。これがまず前提としてあります。

要素1: ビジョン

この壁の外のずっと遠くには、炎の水や、氷の大地、砂の雪原が広がっている。

人を引きつけるために話をする時に大事なのは、最初に「誰にも否定できないビジョン(願望)を伝える」ことです。まず必要なのは、人間であれば否定する人がいないような真理をついたビジョンから話をスタートさせることです。もしその話を否定する人がいたとすると、その人が全く違う価値観の世界で生きていることを証明してしまうようなビジョンを最初にまず掲げます。この段階で共感を生み出せない場合、話すべき相手を間違えているということになります。

進撃の巨人であれば、主人公のエレンは「なぜ壁の向こう側に出たいのか」という問いにこう答えています。

オレが!この世に生まれたからだ!

この世に生まれてきたからには、広い世界を見たいというのが彼のビジョンでした。これは誰にも否定できない事実であり、当然の欲求として皆が共感できるものです。皆が共感できるというのが重要なポイントです。多くの人が「そんなことは夢のまた夢だが、できることならやってみたい」と思うような、共感できる夢を彼は語りました。

要素2: 現状認識

その日、人類は思い出した。奴らに支配されていた恐怖を。
鳥籠の中に囚われていた屈辱を。

次に大事なのは現状認識です。現状を正確に認識すること。

進撃の巨人であれば、巨人がたくさんいるという現状をはじめに皆に認識させていることが重要です。つまり、どれほどすばらしい夢やビジョンがあって広い世界を見たくても、現状としては巨人がいて、そこには行き着けないのが現実だと、正確に伝える必要があります。

要素3: 問題提起

一生壁の中から出られなくても、メシ食って寝てりゃ生きていけるよ。
でも、それじゃ、まるで家畜じゃないか。

そして現状認識に続き、問題提起です。

進撃の巨人における問題提起とは、「皆は巨人がいるから外に行けないと思っているが、果たして本当にそうだろうか」ということ。あの壁は鳥かごなのではないかと。我々人類を守るための壁ではなくて、我々人類を閉じ込めている鳥かごなのではないか、という問題提起がなされます。

つまり、この広い世界を見たいというビジョンがまずあり、それに対して壁の向こうには多くの巨人がいるという現実がある。そしてその現実の中で1番の問題は、壁が存在していることなのではないかという問題提起がなされているのです。

ここで重要なのは、問題の本質を捉えているということです。巨人がいることが問題なのではなく、その対策が壁だということに何らかの問題があると考えている点です。これが成功するかどうかが鍵です。

要素4: 解決策

駆逐してやる。
この世から。
一匹残らず!

4番目は、解決策の提示です。

進撃の巨人においてのそれは、巨人を駆逐すること。1匹残らず駆逐して、この壁の外に出るという解決策でした。そうすれば、壁の必要性は本来なくなるはずである、ということに繋がります。

この壁をなきものにして世界にもう一度人間が出ていくためには、巨人を全て駆逐する必要があるわけです。だから、巨人を1匹残らず駆逐するという解決策を提示したのです。しかし、解決策だけではやることが大きすぎます。つまり大きなビジョンに対して取る解決策も大きいので、現実的なステップが浮かばないという問題が発生してしまいます。

要素5: 具体的目標

調査兵団に入って、とにかく巨人をぶっ殺したいです。

そこで、5番目として実現可能な具体的な一歩、最初の目標を提示します。

進撃の巨人では、調査兵団に入団することが具体的な一歩でした。進撃の巨人の世界の軍には複数種類の部門が存在しますが、その中に、壁の外に出て巨人を倒しながら生態を調査することを目的とした、調査兵団というエリート集団が存在します。死亡率も高いのですが、人間が壁の外に出ていくには避けて通れない重要なミッションなので、実力者だけが参加する兵団なのです。それに入ることを具体的なアクションとし、目標に据えて、それに向かって行動を開始していきます。それが進撃の巨人の初期の基本展開です。

まとめ

エレンの視点でピッチをするなら、こんな感じでしょうか。

この壁の外には、炎の水や、氷の大地、砂の雪原が広がっています。
この世に生まれたからからには、それを見たいとは思いませんか?

しかし、ご存知の通り、壁の外には巨人がいます。そして我々は、その巨人に怯えて、壁の中で生活をしています。
その有様はまるで、鳥かごの中の鳥、いや、家畜の同然です。

私は、必ず、一匹残らず、巨人を駆逐します。

そのためにまずは、調査兵団に入ることを目指し、軍に入隊いたします。

以上です。
これで、エレンの名言が生きてきますね。

いいから黙って、全部オレに投資しろ!

実例 – ビットコインの場合

2年以上前の事ですが、はじめてこの事実に気づいたときに最初にビットコインについてこの流れで図解したメモが出てきました。それによると、ビットコインの説明は次のようになります。

要素1: ビジョン

  • お金の制約が無い自由な世界
  • 人類はみなそこに生きる権利がある

要素2: 現状認識

  • 貧困・搾取・労働(支配)が蔓延っている

要素3: 問題提起

  • 金融・社会システムは我々を守ってくれている
  • しかしそれは本当に我々のために存在しているのだろうか?
  • 中央集権は正しかったことがあるだろうか?

要素4: 解決策

  • 既存の金融・社会システムを迂回した経済圏を構築する
  • P2P の直接経済圏へ移り住む

要素5: 具体的目標

  • ビットコインを保有し拡散する

まとめ

我々は本来、自由と平等を約束された社会に生きているはずです。
この世に生まれたからからには、それは当然のことです。

しかし、ご存知の通り、世界には貧困をはじめとしたあらゆる社会問題が溢れかえっています。
これは、あなたが理想とする社会でしょうか?政府や金融システムは我々人類を守り、あるべき姿に導いているでしょうか?過去を振り返って、理想が実現したことがあったでしょうか?

私は、そうは思いません。何者にも支配されない、自立した信用のおける経済圏がいまこそ必要です。

そのためにまずは、中間管理、中間搾取を一切排除した、直接決済のネットワークを普及することをめざします。そのための通貨こそが、仮想通貨ビットコインです。

以上です。例えばですけど。

ま、サトシナカモトは、全部オレに投資しろとは絶対に言わないですけどね。

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